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――――……
時はフルダイブ型バーチャルリアリティが実用化された現代。
とある高等学校で学習教材としての活用が、校長の独断で行わた。
その結果、当時の1年2組の計33名が、ログアウトボタンが存在しない、モンスターのレベルが文字通りの“桁違い”など、不備や設定不足からの“一人歩き”などの発生した“世界”に閉じ込められることとなる。
“桁違い”のモンスターへの敗北や、ドラゴンの抗いようのない攻撃など、そのような“死ぬ”場合にのみしかログアウトが出来ない世界で、その“死と言う恐怖のログアウト”をすることによって、現実世界へと“帰還”する生徒も増えていく。
そんな中、クラス委員長の西町 音羽はクリア不可能同然のイベントの最中、幼馴染の大月 胡桃から“ありとあらゆる支援魔法”をかけられ、大月 胡桃の“ログアウト”と代償に、死ぬことが出来ない……要するに“ログアウト不可”同然の状態となって、生還してしまい――……。
幼馴染を失い、死に急ぐようにしている時、数少ない“生き残りの”クラスメイトで商人や情報屋をしている久礼田 尋から、ひとつの情報が提供される。
それは、音羽や尋、胡桃が情報を集めていても見付けられていなかった行方不明の生徒の一人、石立 リナではないかと言う情報だった。
しかし、彼女も音羽同様“死ぬことの出来ない身”に、変化していて……。
そうして同じく行方不明だった生徒たち、高良 奏と仁淀 由佳の2名も発見することが出来たが、彼女たち、そして尋までも、全員がそれぞれの理由で“死ねない”存在となっており……。
その後、善意の“サポート”のためにログインをした、事件により休職中の教師、瀬倉 ゆらから明かされた、彼女たち“最後の5人”が、この世界から帰還する方法、それは“ゲームをクリアすることによって行われる強制ログアウト”で……。
それぞれが、チートのようなレベルアップの場合もあれば、上手くコツをつかめない場合もある、いろいろな局面や“一人歩き”したモンスター討伐など、様々なこと繰り返しながら“帰る”ために、ゆっくりではあるが進む物語。
これはまだ、その途中。
音羽:「ヒロ……? にゃにをブツブツと言ってるんだ?」
尋:「いきなりエルフ型ゴーレムの女子高生が透明化してる蟻に運ばれてるなんて“完全なる続き”から始まるよりは、前置きひとつくらい入れようと思ったんだよ!!」
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