死の山

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 田辺も片岡もあわてて車を降りて、走って逃げようとするが、複数の警察官に現行犯逮捕された。二人は拘束されて裁判の時を待つことになった。そして裁判では自分が殺した人間だけでなく、穴の中にいた知らない死体も田辺や片岡の仕業だという判決が下された。  田辺が死刑になる直前、中崎が面会室に来た。中崎は笑みを隠すことなく朗々と嬉しそうに語り出した。 「組織で殺した人間の罪もおまえ達が被ってくれてありがたいことだ。あの山は組織が死体遺棄に昔から利用していた。死体ばかり埋まってるから裏世界では死の山だなんて呼ばれている。おまえ達は警察に山の中に埋まっていた死体に関しては無関係だと訴えたと思うが、それは残念ながら意味がない。なぜなら警察と組織は繋がっているからだ。それとおまえを殺そうとした奴も我々が仕組んだものだ。おまえなら返り討ちにすると信じていた。おまえ達は組織の手の平の上で踊らされていたのさ」  中崎が語るのを静かに聞いていた田辺は話が終わると激昂した。そして面会室の仕切り板を壊して中崎に食ってかかろうとしたが警察官に取り押さえられた。  話を聞いていた警察官に田辺は事の顛末を涙を流しながら怒鳴って訴えた。しかし警察官は不気味な笑みを浮かべた後で、舌を出した。
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