チクッと殺人事件

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「いや、先に乗務員に知らせておいて、次の駅に到着してから救急車に運んでもらった方が早い。……それにもう、手遅れだ」 男性の傍に(ひざまず)き、手首と首の脈を取っていた叔父さんが、そう言いながら目を伏せた。 「そんな……」 乗客の誰かが呟いた。 「きゃっ!」 乗客の中にいた女子高生が叫び、一歩退(しりぞ)いた。
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