弁当

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弁当

学園生活の中で、最も忌むべきは弁当の時間である。 「やった〜!お弁当の時間だ〜!」 私の前の席で子どものようにはしゃいでいるのは、もちろん御手洗ミツキである。 「ねえ、ねえ、ユミナ。今日のお弁当、何持ってきた?」 「平常通りだ」 私は食事を憎んでいる。 元大魔王であるこの私は、すでに食物からエネルギーを摂取するという低次元な段階など、とうの昔に卒業しているのだ。 ただ本来であれば太陽エネルギーさえあれば十分なのだが、一応まだ人間の肉体を維持せねばならないということで、一日一食フルーツだけは食す。 それはミツキも同じはずなのだが。 「ねえ、ねえ、見て見て。今日のミツキのお弁当、クマさんだよ」 「またキャラ弁か。幼稚な発想だな」 そこに割り込んできた別のクラスメイトがいる。 中森ウララである。 「ミツキの弁当かわいいな〜」 「キャラ弁、いいでしょ〜」 「でもウチの方がかわいいんよ」 「ウララのは何?」 「ホヤ弁や」 「ホヤ弁?」
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