一条ユミナ

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一条ユミナ

まずは自己紹介をしよう。 私の名前は一条ユミナ。当年取って17歳。 聖ガイア女学園という、日本の田舎にある、なんの変哲も面白味もへったくれもない高校に通う、一介の女子高生にすぎない。 だが、それは表向きのこと。この世を欺くための仮初の姿だ。 本当の私は、宇宙の大魔王。だった存在である。 簡単に言うと、前世がそういうものだった。そう呼ばれていた。そういうものとして、宇宙の全存在から畏れ崇められていた存在である。 若い頃は随分とヤンチャをしたものだ。ここだけの話、悪いことも結構した。大魔王なのだから仕方なかろう。 だがそれも地球が誕生する少し前までのこと。 悪行からはとっくの昔に足を洗っている。 ここ46億年ばかりは、元大魔王として、宇宙の発展のために尽くしてきた。 気付いてない輩も多いようだが、今地球は重要な過渡期にある。 だから私が日本に転生してきたのである。 そして17年の歳月が流れた。 現在、私は不愉快である。
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