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だったら違うネタを記事にしろよ。
そう思った俺だったが、鈴木が眼鏡のツルを上げながら口を挟んだ内容には驚かされた。
「こちらは、飽くまで客観的なレビューをさせて頂きます。それでも良いですか?」
「うんうん!全然オッケーだよ!」
助かったというような部長に対して俺は納得いかねー。
「おい、鈴木。あんた1人が決める事じゃねーだろ」
「ですが、これだけ困っていらっしゃるんです。僕達で力になれるなら、協力してあげませんか?」
「私もちょっと怖いけど…このままじゃ部長さんが気の毒だわ」
不安そうな香澄の意外な反応に、俺の心はグラついた。
心優しい香澄を守ってやりたくなる。
それに都市伝説は飽くまで都市伝説だ。
何も無いとハッキリすれば部長も諦めるだろう。
「わーったよ。ただし、何もなかったとしても、文句言うなよ」
「ありがとう!キミ達は、我が新聞部の鑑だよ!」
別に、新聞部員になった覚えは、ねーが。
こうして俺達は半ば強制的に調査に乗り出す事になった。
そして、その日の夜。
学園に向かう道すがら。
「何であんたまで居んだよ?」
俺は腕を組んでくる山村に向かって、そう言った。
「だってー、興味津々なんだもーん!それに保も居るし♡」
山村はそう言いながら、俺に寄りかかってくる。
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