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だが、その途中、困った問題が起きた。
俺がさっき危惧した喉の渇き。
それを全員が感じ始めたのだ。
「喉が渇いたよう…」
「俺もだ。だが、トイレの水が流れなかったって事は、水道の水も出ねー可能性が高い」
「そうですね…。一か八かの賭けになりますが…」
鈴木の言葉に、俺と山村が過敏に反応する。
「何々?!」
「何か良い方法があるのか?」
「安全面では保証できかねます。ですが、先程、購買部の前を通り掛かった時、ペットボトルの水が置いてあるのを見ました」
普通なら飲んでも何ともねー水だろうが、ここに置いてあるのを飲むのは、確かに危険な気がする。
だが、山村は我慢出来なかったらしい。
「でも、喉が渇いて死にそうだよう!」
そう叫ぶと、購買部の方に向かって駆け出した。
「待ってください!山村先輩!」
鈴木が後を追うが、足が遅くて追いつけねー。
俺は鈴木を追い抜くと、山村の腕を後ろから掴んだ。
「待て、山村!鈴木が安全かどうか解らねーっつってんだろ?」
「でも、お水飲みたいよう!」
「わーった。最初のひと口は俺が飲む。それで良いか?ただし、俺に何かあったら、絶対に飲むな!」
山村は、俺の気迫に押されたようだ。
鈴木も息を切らして追いついてくる。
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