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「確かに俺は先輩をシカトした。だが、忘れてなんざいねー!!」
俺の張り上げた声に先輩が一瞬、たじろき、鏡が全部光出す。
「皆さん、今です!鏡の中に飛び込みましょう!」
鈴木の声を合図に俺は香澄の腕を掴むと、我先に飛び込んだ山村と鈴木の後を追って、鏡の中に飛び込んだ。
「保…ホントに忘れてなかったのか…?俺は、保の心に残る事が出来たのか…?保…」
霊体である筈の先輩の声は泣いていたが、それを目撃した者は誰もいなかった。
急に腹が痛くなって目を覚ました俺は、男子便所の前に、3人と倒れていた。
何か急に腹が下ってきたな。
さっき飲んだペットボトルの水のせいだったが、そんな悠長な事を考えている時間も無く、俺は旧校舎の便所に駆け込んだ。
個室に入って用を足すと、やっぱ腹を壊している。
出ようと思ったら又、出したくなり、用を足して…を繰り返していると、バタバタと足音が聞こえてきた。
「漏れちゃう!漏れちゃうよう!」
「千夜くん?!千夜くんは、居ますか?!トイレの外で諸橋さんが心配しています!」
どうやら、全員、目を覚ましたらしい。
俺は力の抜けた弱々しい声で応えた。
「ああ。ここに居る…。どうやら、腹を壊したらしい…」
「僕もだよう!どうしてー?!」
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