先輩の生き霊からの逃走

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「恐らく、僕達3人共、諸橋さん以外、全員、同じ状態になっているって事は、先程、飲んだお水の影響かもしれません…」 鈴木の言っている事しか他に思い当たる事はねー。 「香澄ちゃん!保もトイレに居るよう!!」 普段なら恥ずかしい事、大声で言いやがって、と山村を後で絞めるところだが、今はそれどころじゃねー。 「本当…?早く出てきてね?1人で待つの怖いわ…」 香澄の不安そうな声が微かに聞こえる。 そうしてやりてーが、生理現象ばかりは、どうしようもなく…。 俺達は個室から出る時には、水が流せなかったことを思い出すのだった。 当然、手も洗えねー訳で…。 ところが、便所から出た途端に香澄に抱きつかれる。 「遅いわよ…千夜くん…。私、喉が渇いてきちゃった」 その言葉に俺は香澄を抱きしめ返せねーまま、鈴木と山村と共に固まった。 「香澄!悪い事は言わねー。水は帰ってから飲もうぜ?」 「?勿論、そのつもりよ。私、飲み物、持ってきてないし…」 どうやら、俺達野郎の考えすぎだったらしい。 香澄は悲しそうに俺から離れた。 許せ! 香澄、きたねー手で、あんたには触れられねー。 その代わりに俺はニヤリと笑ってみせた。 「それじゃあ、帰ろうぜ。先輩の霊体が又、出て来ねー内に、な」
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