過去の囁き

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過去の囁き

暗闇が包む古い校舎、その静寂の中には、忘れ去られた過去の囁きが潜んでいた。 「都市伝説の調査?」 その日も、いつもと変わらない1日になる筈だった。 高校の昼休み。 俺…千夜保(せんやたもつ)とマブダチで秀才の鈴木航(すずきわたる)、俺の彼女の諸橋香澄(もろはしかすみ)は、昼飯を食っていた。 そこへ新聞部の部長自らが俺達の元に、ある依頼をしてきたのだ。 ここ…心誠(しんせい)学園にも在る旧校舎。 そこに忘れ去られた霊が潜んでいるという都市伝説を本当かどうか調べて欲しいらしい。 「頼むよー。キミ達4人組の学園での活躍は、よく聞いてる。僕達の代わりに夜、旧校舎に行って調べてくれないかな?」 新聞部部長は、両手を合わせ、「この通り!」とほざく。 因みに何故、4人なのかは、一応、先輩の山村凌(やまむらりょう)も居るからだ。 俺達4人は学園じゃ、ちょっとした有名人だった。 それはともかく、何故、何の関係もねー俺達が、調査しなきゃならねーんだ? 「やなこった。調査なら自分達でやれば良いだろ」 俺は直ぐ様、断った。 しかし、部長も後に引かねー。 「勿論、タダでとは言わない!調査に乗ってくれたら、その事はきちんと記事にするし、何より、僕達、怖いの苦手なんだよー」
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