話したくない秘密

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 先輩(せんぱい)(はな)していた時間(じかん)はあっという()()わってしまった。まだ、二人(ふたり)(はな)すのは、二回目(にかいめ)(たい)して()らない人なのに、もっと()りたいと(おも)ってしまう。  いや、きっと(なに)()らないから、()りたいと(おも)ってしまう。  もっと(なが)(はな)していたかった。  チャイムがなると先輩(せんぱい)(とも)に、教室(きょうしつ)(はい)った。(なん)となく視線(しせん)(あつ)まって()ずかしかったのに、なんともないように()()えてしまった。  こんな可愛(かわ)()のない自分(じぶん)(いや)だった。本当(ほんとう)は、もっと()れてしまう(ほう)がかわいらしいんじゃないかと(おも)う。  自己紹介(じこしょうかい)は、あっさりと()わってしまった。(はな)すのはあっという()ですぐに()わってしまった。  みんなもくだらない(わたし)(はなし)興味(きょうみ)()っててくれた。その(こえ)が、(わたし)(くる)しめた。心苦(こころぐる)しかった。  それでも、あっさり質問(しつもん)にも対応出来(たいおうでき)てしまう。それがなんだか(むな)しくも(おも)えた。  友達(ともだち)は、みんな()()ってくれて、(あたら)しい友達(ともだち)()えた。  (わたし)は、(ひと)でできた(おり)()()めれる。()()められた感覚(かんかく)があった。その感覚(かんかく)苦手(にがて)だった。
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