久しぶりの本音

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 (うそ)(かさ)ねないためには、あまり(ひと)(かか)わらない(ほう)()い。(はな)すことがなければ、(かか)わることがなければ、(うそ)なんてつかずに()むのだから、その(ほう)()いと(おも)う。私みたいなのは、一人がお似合いだと思う。  だから、(わたし)今日(きょう)から(はじ)まる仮入部期間(かりにゅうぶきかん)も、()()帰宅(きたく)する予定(よてい)だった。入部(にゅうぶ)する予定(よてい)のない(やつ)()っても迷惑(めいわく)にしかならないと思う。そもそも、部活動なんてしない方が、本業である学業に集中出来ていいことだってわかっていた。それに、部活動にも、興味も憧れもなかった。どうでも、良いことだった。  ホームルームが()わり昇降口(しょうこうぐち)()かう途中(とちゅう)で、(おな)じクラスの(おんな)()から、不意(ふい)(こえ)をかけられた。  「ねえ、このあとなにか予定あったりする」  「(とく)にはないけど、なにかあるの」  「あの、、、もしよかったら、私と一緒に見学行ってほしくて」  「いいよ。私は、どこ行こうか迷ってたから、声かけて貰えて嬉しい。ありがとう。じゃあ、行こう。どこ行きたいの」  私が()った。(うそ)から()まれていたとしても、この言葉(ことば)正解(せいかい)だったらしい。不安気(ふあんげ)だった彼女(かのじょ)(かお)も少し、(あか)るくなったような気がした。彼女(かのじょ)笑顔(えがお)をみれたことで間違(まちが)えでない()がして(うれ)しかった。
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