久しぶりの本音

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 彼女は、中学生の時から、入りたかった部活だと話していた。  それなのに、教室に入って、先輩たちに見学来た理由をたずねられると、彼女は、私に誘われたからと言った。彼女も嘘つきだった。私は、名前も、何をしているのかも知らないのに理由を話さないといけなくなってしまった。  「理由と言われてまして、すぐに答えられないですよ。強いていうなら、部活動が書かれた冊子をパラパラめくって開いたページの中で、目をつぶって指したのが、ここだったので、見学に来ました」  「え、そんな理由なの」  「はい。こうやって選ぶと失敗したことないんです。なにか迷うことがあったら、やってみてください。おすすめですよ」  「へー。面白いじゃん」  「いやいや、無理あるでしょ」  「バレちゃいましたか。はい、(うそ)です。本当の理由って言いにくいんですよ。察してください」  「聞かせてよ」  「そんなこと言わずに」  「先輩、命令だから」  「そうですか。それなら仕方ないですよね。口外しないでほしいんですけど、いいですか。実はですね。私には、中学時代に友達がいたんですよ。その子もここ受けたんですけど、不合格になってしまったんです。それで入学が決まった時に、言われたんです。私が入りたかった部活に代わりに入ってほしいと言われたんです。その部活というのがここなんです。その子が進学した先では、部活動自体がないんです。あるんですけど、進学コースみたいなとこらしくて参加不可らしいんです。だから、その子の分まで頑張りたいと思ってます。よろしくお願いします。ただ、友達の名誉のため、この話はくれぐれも内密にしてください。あ、、、話過ぎですよね。すみません」  「じゃあ、入部してくれるってこと」  「はい」  私は、なんとなく(なが)れで、もう入部(にゅうぶ)()まってしまった。なにをやっているのか、(なに)もしらないのに、入部(にゅうぶ)()まってしまった。  そして、(わたし)のことで()()がっていた。先輩(せんぱい)たちは、面白(おもしろ)いと言ってくれる。それでも、私はちっとも楽しくなかった。早く帰りたいと思っていた。  (さそ)ってくれた彼女(かのじょ)視線(しせん)(いた)かった。
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