桃色キャンディ

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彼女が起きる。 私は起きている。 寝起きの顔もきれいだ。 私のスマホにはクマがひどい女がいる。 彼女は雲一つないいい天気だねと言う。 私もそれに同調する。 夏休みの終わる少し前、彼女から電話がかかった。 「朱音聞いて、白井君に告白したの」 少し興奮した彼女の声が聞こえる。 「それでどうなったの」 私は興味のないふりをして聞いてみる。 「実は。この度付き合うことになりました。」 「へぇ、よかったじゃん。じゃ、またね」 ふと、あの日買ったキャンディが目に入った。一つとって食べる。桃の味だった。
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