桃色キャンディ

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期末試験も終わって夏休みに入った。 今日、陽花との関係が終わるかもしれない。いや、間違いなく終わる。なんせ陽花からしたら親友だと思ってた同性に「好きです」なんて急に伝えられるのだ。気持ち悪い以外の何物でもないだろう。しかし私はそうではないかもしれないという、淡い期待を込めて陽花との待ち合わせ場所に向かった。 待ち合わせの一時間半前だ。早すぎるので近くの喫茶店によることにした。旬だからか期間限定の桃のパフェがあった。パフェを頼んで小一時間喫茶店で時間をつぶし、途中のコンビニでキャンディを買って待ち合わせ場所に向かった。 待ち合わせ時間になっても彼女は来ない。幸いまだバスの時間には間に合う。電話をかけるべきかどうか迷っていると 「朱音!!」 陽花の声がした。いつものように少し手入れの行き届いてないロングヘアを揺らしがら私のもとに駆け寄ってきた。 「遅れてごめん。ちょっと準備に手間取っちゃって」 「いいよ別に。バス間に合うし。」 陽花は毎回数分遅れてくる。自慢の長い髪も枝毛がみえかくれしてしている。私は陽花のこういうところも好きだ。
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