桃色キャンディ

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私は陽花の事が好きだ。 だからこの夏彼女に告白しようと思う。 「ねぇ陽花(ようか)、夏休みさ、どこか行かない?」 二人きりで、誰かに見られないところというのを言い忘れていた。しかし、そんなことを言ってしまっては陽花にこの気持ちを悟られてしまう。 「いいよ。どこ行く?」 「カ、カラオケ...とか?」 「なんでカラオケなのよ。せっかくの夏休みなんだからもうちょっと夏らしいことしようよ」 陽花はクシャっとした顔で微笑んでいた。その顔を見せているのは私だけだろうか。そんなわけはない。陽花は多くの友達がいる。同性も、異性も。 「じゃあさ...キャンプでも行かない?」 私は少し考えたふりをしていってみた。 「いいよ。」 陽花の明るい声が聞こえると同時に休憩時間を終えるチャイムも聞こえてきた。 「後で詳しく話そうね。」 そう言って去っていく彼女の後ろ姿に私は見とれながら教科書を机の上に出した。 陽花は私が恋愛感情を持っていることを知っていたら了承していたのだろうか。そんな不安を抱えつつも意中の人とのキャンプ。心を落ち着かせられるはずもなく、私は授業を聞き流しながら人に言えないような妄想をしていた。
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