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スープを作るために水露タマネギ、春風キャベツ、萌黄人参、夕星シイタケ、彩雲ナス、泡沫セロリと結構取れたわ。篭いっぱいの野菜をとっても戻ると、砂海豹は目をまん丸にして固まっていた。あら可愛い。
向こうでは砂食い鯨の討伐が終わったのか、解体作業に取り組んでいるのが見えた。うんうん、順調ね。血抜きが終わったら毒袋を回収しないと。
その前に水露タマネギは甘みが多くてバターで炒めるとより味が美味しくなる。ただこの水露タマネギは水で洗うときに、祝福の神酒を小さじ一杯かけないと、えぐみが取れない。特殊な食材なのよね。
量産されて作られるタマネギもあるが、うまみ成分が上手く形成されていないので、かなり不人気だったりする。
「きゅう……」
「砂海豹様も興味あります?」
「きゅ」
じーっと見てきたので声をかけたのだが、すぐにそっぽを向かれてしまった。魔物種を食べるなんて頭が可笑しいと思われたかしら。だとしたら、ちょっとショックだけれど……。
砂海豹様はチラチラと興味深く見てくるが、私と目が合うとそっぽを向いてしまう。なんだか可愛い。あとホッコリするわ。
ふふっ、砂海豹様に美味しいものを食べてもらえれば、分かって貰えるはず!
この世界での料理は、下準備をどれだけかけたかによって大きく変わるもの。
そして私は手間をかけてでも、美味しいものが食べたい派だ。そんな感じで儀式のような面持ちで水洗いを済ませた後、まな板と包丁を用意してまずは水露タマネギをみじん切り、彩雲ナスはいちょう切り、萌黄人参は短冊切り、夕星シイタケは半月切りにそれぞれ切った。
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