第11話 ふわふわ幻想パンケーキにかけるものは?・後編

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 鉄板に薄く油を引いて、生地をこれでもかと乗せる。それから少しだけ熱湯を生地と離れた場所に入れて蓋をしたら、蒸気焼きでじっくり焼く。ホットケーキ特有の甘い香りが周囲に漂い始めた。  お腹を刺激する……なんて芳ばしい匂いなの!  生クリームとカスタードクリームを作っていたディーネやアドリア、コームたちがテーブルの上に準備を始める。リア様も空中をすいすいと泳いで、皿やフォークとナイフなどの準備を手伝っていた。  働かざる者食うべからず、と教訓を学んだらしく率先して動いてくれるのはありがたい。特に洗い物などは洗浄魔法を使ってくれるのよね。神獣種っていくつもの魔法を使えるのだから、すごいわ。  微笑ましく見守りつつ、蒸気焼きは音が止んでから蓋を開ける。キツネ色に表面が焼けているのを確認してから、他の生地をひっくり返す。それから熱湯をもう一度、鉄板の端に加えて蒸気焼きをする。  もういいわね!  一つずつお皿に盛り付けて、フルーツとバターを盛り付ければできあがり。  あとはお好みで、トッピングを楽しんで貰う。パンケーキの頭上には、白銀のオーロラが微かにかかっている。 「はい、ふわふわ幻想パンケーキのできあがりよ」 「きゅい! きゅいいいいい!」 『言語化に失敗しました』 「きゅいいいいい、きゅううううきゅう!」 『言語化に失敗しました』 「ふふっ、喜んでくれているだけは伝わっているわ」 「きゅう!」 『ゆてぃあ!』  はしゃぐリア様は私の周囲をぐるぐると回って歓喜の声を上げる。そのたびに背中や頬に頬ずりして、喜びを表現してくれていた。  シシンは隣で「うわっ。マーキングとかほどほどにしなよ」となんだかげんなりしている。神獣種は案外独占欲が強いのかもしれない。  現在使っているテーブルは矮人妖精(ドヴェルグ)のティーさんと、ラテさんが用意してくれたテント用で、やや低めなのだけれど、六角形の美しい造りなのよね。椅子は折りたたみ式で、クッションを敷くと良い感じだわ。
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