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最初に雪花の蜂蜜を容器に入れて、常温の水を50ccほどで溶かす。次に祝福の塩檸檬をいれて混ぜてから、最後に香り付けと、常に凍てついている夜霜の凍オレンジ草を氷代わりにして完成!
「夏バテにもいい、疲労回復の飲み物よ、ゆっくり飲んでね」
「きゅい」
尾──というか後脚をばたつかせて喜んでいる。うーん、でもグラスだと飲みにくそうなので、スープ用の皿に入れて出したら、なぜか眉間に皺を寄せて「きゅいきゅ!」と不満そう。なにがいけないのかしら?
「シシン、なんで怒っているのかしら? 蜂蜜が駄目だった?」
『いや、これは……飲み方に品がないってだけだから、そのまま飲ませて良いと思う』
「品……砂海豹様は神獣種だから、そういうのにも気を遣うのね」
「きゅい!」
二足歩行をしようとするが、後脚ではどう頑張っても立つのは難しいので私が背中を抱きしめる形で椅子になり、砂海豹様に飲ませてみる。神獣種のモフモフに触れる機会ができるなんて!
ああ、モフモフ。なんて素晴らしい手触りなのかしら。なんて役得!
砂海豹様は最初こそ抵抗したけど祝福の塩檸檬水の香りに負けたのか、ちびちびと飲み始めた。
「きゅ! きゅうい!!」
『気に入ったみたい。もっとほしいって』
「まあ。気に入ったのならよかったわ。水分補給をしたら今日の寝床を作ってから夕食の準備にしましょう」
見渡す限り白亜色の砂漠が広がっている。これは私の国とは遠く離れた未開の土地。昔読んだ文献だと『死の砂漠』だったかしら?
私の想定では緑豊かな世界樹のお膝元、幻想自由都市リッカだったのだけれど、まさかさらにその向こうまで引っ張られるなんて……。
「きゅきゅ!」
「あ、はい。お代わりですね」
「きゅ」
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