6回目

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6回目

ふぅ~ 危ない、刀が目の前だった 気をつけないと とにかく今は、情報を整理しよう、策を立てないと まず「おかえり」で、この時間、この場所に戻ってこれる 記憶だけ残り、後は全てリセットされるみたいだ その後、 「ただいま」と聞こえた何秒か後に、 男が入ってきて、長い日本刀を 必ずで心臓に刺してくる っていうか何で「ただいま」?何かキメてるのか? 顔はフードで、よく見えない、 無言でただ殺しに来てる、でも人間の筈だ きっと他に目的がある、交渉も出来るかも 隙ができれば…逃げ切れるかもしれない、助けも呼べるかもしれない いつの間にか、男に対する恐怖は少し緩和され、 魔法らしきものが使えたからなのか、 わずかに気分が上がっている、それに だってゲームみたいだ、いわゆる… 「ただいま」 かな? って、死んじゃダメか でも、今までの退屈な日常よりはマシな気がした 扉が開く前、男に向かって言った 「お願い、金なら口座に500万はある、それに、  警察には絶対に言わ…って」 男は全く同じ動作、スピードで突っ込んできた 会話は無理か…!?もちろん、思い切りの嘘だったが… だが、初手は分かってる 飛んでくる刃先を右にスッと避ける 攻撃を避けられた事に驚いたのか、「えっ」と男の声がした そして、男の動きが一瞬鈍る 今だ! 玄関の黒いドアへと駆け出した 金色のドアノブに手をかけ、こじ開けた 後ろから男の、「クソッ」という声が聞こえる 急げ! 靴下のまま硬いアスファルトを踏み込み、走る そして、声の限り叫んだ 「助けてぇぇぇぇぇ!!!」 誰かしらは聞いてるハズ、 最寄りの家までは100mほど、生きれるかもしれない 私は疾走スピードを上げた、その時、 グチャッ 嫌な音が、した… 胸元を見ると、 ギラリと光るものがある 既に、刃が体を貫通した後だった 直ぐに力が抜け、うつ伏せに倒れる 負けた 血の匂いが酷くする こいつ…足速いな でも、また挑戦すればいい… 少し口角を上げると、 地面に向かって呟いた 「おかえり」
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