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「ごめんね僕、奈央ちゃんのこと手放す気ないから」
「え、あっ!」
北川さんは私の手を引っ張り
荷物を持ちそのまま居酒屋を後にした。
*
「き、北川さん!!」
何度
名前を呼んでも
決して歩みを止めず
ひたすらに歩く北川さん。
繋いでいる
手から伝わってくるぬくもりが
あまりにも心地良くて
私の覚悟と考えをいとも簡単に変えようとする。
ダメだと
わかっていても
北川さんの
優しさに縋ってしまいそうになる……
.
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