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「身体、辛くない?」
「大丈夫です」
昨日のことを思い出すと
恥ずかしさから顔から火が出そうになる。
でも
壊されたいの?
なんて言っていた言葉とは裏腹に
誠一さんの手は
まるで壊れ物に触れるかのように優しくて
彼が触れるたびに伝わってくる熱が
あまりにも心地よくて瞳から涙が溢れそうになった。
「誠一さん……」
「ん?」
「……ワガママ、言ってもいいですか?」
「いいよ、言って。俺ができることなら、叶えてあげるよ」
「……私のこと、ギュッと抱きしめてくれませんか?」
あまりにも
今の時間が幸せすぎて
幸せに慣れていない私は
これは夢なのではないかと疑ってしまう……
「クスッ。そんな、可愛いワガママはいつでも言ってよ」
小さく
笑みをこぼしながら
私の身体を
優しくギュッと抱きしめてくれた。
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