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私って 本当、単純だな…… さっきまで 少なからず母のことで 罪悪感や不安に駆られていたはずなのに 誠一さんが作ってくれた フレンチトーストを食べるだけで 表情にはたちまち笑みが戻り幸せになれるんだから…… 「良かった、喜んでもらえて」 「大満足です!!」 「俺、奈央ちゃんの胃袋は掴めた?」 「はいっ、それはもう、バッチリ掴まれました!!」 「クスッ。じゃあ、俺から離れていくなんて馬鹿げたことは二度と考えないでね?」 「……」 誠一さんの言葉に それまで 次々と口へと頬張っていた 手を止めジッと誠一さんのことを見つめた。 「どうかした?」 「……私、本当に誠一さんの隣にいてもいいんですか?」 .
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