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「一緒にいたい」
「ん、続けて」
優しい瞳で私を見つめ
優しい声にそう促されて
頑なだった私の心と
思考がゆっくりと柔らかくほぐされていく……
「私といると、迷惑かけるかもしれない……。それでも、私は誠一さんと一緒にいたいです」
頬に
添えられていた
誠一さんの手に自分の手を重ねた。
迷惑かけると
そうわかっていても
それでも
私は誠一さんと
一緒にいたいって今、強くそう思った。
「迷惑かけるのは、多分俺も同じだよ」
「え?」
「北川の名前を持つ限り俺に自由なんてない。そのせいで、キミに嫌な思いをさせてしまうかもしれない。それでも、奈央ちゃんこそ俺の傍にいてくれる?」
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