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「何が、って言われるとうまく言えないけど、東雲ってどこか他人を寄せ付けないみたいなオーラがあったのよね」
「……」
「でも、今はそれがなくなってる」
自分では
気づかなかったけど
私、無意識に
そんなオーラを出してたんだ……
でも
もしも
変わったとするなら
誠一さんが私を変えてくれたんだ……
誠一さんと
付き合い始めて2ヶ月が経っていた。
そうは言っても
私は毎日のように母の影に怯えていた。
いつ
笑いながら
私の前に現れるのか……
1日が終わると
ホッと安堵の息を漏らし
次の日が来るとまた母の影に怯える日々。
思えば最近は怯える日々ではなく
今日は誠一さんに会えるかなと考える日々に変わっていた。
「良かったね。」
「ん?」
「東雲はさ、運命の王子様に出会えたんだよ」
「……うん、そうだね」
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