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私にとって
誠一さんは
本当に王子様のような人。
母の呪縛から
私のことを解き放ってくれた特別な人……
「絶対、離しちゃだめよ!東雲にとってそんな素敵な人は、何がなんでも、どんなに卑怯な手を使ってでも、離しちゃダメだし、離れちゃダメ」
「……ふふっ、そうだね」
何もかもが
本当に怖いくらいに順調だった。
けれど
現実は
そう甘くはなかった。
〈本当ごめんね!!〉
〈大丈夫です。じゃあ、近くのカフェで待ってますね?〉
〈すぐ終わらせて行くから!!〉
仕事で
トラブルになり
約束の時間に遅れると
誠一さんから連絡があり近くのカフェへと
向かって歩いていると見覚えのある人が立っていた。
「奈央、久しぶり」
「っ」
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