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「ねえ、完全に見なくなるようにはならないの?」
「悪夢を消すだけじゃダメなの?」
「消してもまた生まれるじゃない」
「確かにそうだけど……」
「もううんざり」
かなり精神的にやられているようだ。
「悪夢の原因となっている記憶を消すとそれに付随する記憶も消えるから悪夢の原因以前の記憶も全部消えるよ」
「幼い頃はあまり良い思い出が無いしオーナーや仲間との思い出さえ残っていれば他はいらないわ」
「分かった。では消す方向で」
「お願いね」
今回は大脳皮質に溜まったゴミである悪夢を喰らうだけでは無くなった。その先の魂内のデーターにアクセスする必要が有るので慎重にやらなければならない。
「じゃあやるよ、──スリープ」
僕は最小の霊力で起こせる事象、スリープを発動した。
悪夢を消すにはその夢を見ている時の方が記憶の断片をみつけやすい。スリープは寝て数秒後にレム睡眠に突入させることができるので都合が良い。
僕は彼女の額に手を当て集中して脳内に入って行った。
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