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僕は人一倍栄養には気を遣っている自炊派なのでカップ麺や冷凍食品ばかり食べているような言われ方は心外である。
「いや、僕は──」
「それじゃ~渡したでやんすからね」
鎖骨ちゃんは急いで戻ってしまった。もっとアピールしたかったのだが言う間も無かった。
僕は2万円をフリフリさせながら少女と顔を見合わせた。
「お腹は空いてるかい?」
すると間髪入れずにコクンコクンと2度大きく頷いた。よっぽど空腹だったのだろう。
「そうか、でもこの時間だとラーメン屋くらいしか空いてないかな~」
今度は顔を横にブンブンさせている。
「じゃあ何がいい? 居酒屋でもいいぞ」
少女が指差したのは回転寿司屋だった。
僕と少女は、夜中しか開いてなかとよ、と、店名に営業時間を主張している回転寿司屋に向かった。
少女は寿司が好きなのかウキウキしながら僕の腕に自分の腕を巻き付けて歩いている。さっきまであんなに無表情だったのにこの変わりようには困惑する。
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