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 妹耐性が無いとこれほどまでのダメージを受けるものなのか?  これほどまでに嬉しくてニヤけてしまうものなのか?  ──おちつけ、今は立派なお兄ちゃん演じる時間だ  僕はモーゼスに慌てた姿を悟られないよう平常心を保った。 「お兄ちゃんか、まあ良いだろう。君は今から僕の妹だ。それと来週から二人そろって近くの高校に同じ学年で転入する予定だから学校では双子の兄妹として振舞うんだぞ」  そうなのだ、26歳の僕がモーゼスと共に高校に行く事になってしまったのである。  この話は事務所を出る時に叔父さんから呼び止められて聞かされた内容である。絶対命令なので断る事が出来ない。そしてモーゼスの事は死んでも守れと厳命されている。変な男にモーゼスをくれてやるくらいならお前にやるとまで言われた。  しかしこの歳で高校生活をやり直す事になるとは夢にも思わなかった。幸い僕は童顔なので高校生でも違和感なく溶け込むことができるだろう。最悪ちょっと老けた高校生で通用すると思われる。  それにしても高校2年生からやり直しとはなかなか面白い事になってきたと内心ワクワクしている。
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