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胸姫ちゃんの脳内で活発に活動している記憶の断片をすぐにみつける事ができた。僕はその断片を触り悪夢を共有した。
案の定迷彩服を着たグチャグチャな死体が襲ってくる夢を見ている。幼い姿の彼女は何もできずにただうずくまるだけだ。
いつもなら鯨の姿になりこの夢の世界を喰らい尽くすのだが、今回はその先に行かねばならないので一手間かける。
僕は幼い胸姫ちゃんに襲い掛かるグチャグチャな奴らを蹴り飛ばして彼女に近寄った。
「もう大丈夫だよ、僕の方を見て」
夢の中の幼い胸姫ちゃんがこちらを見た。僕は彼女の瞳の中を通り抜けて更に奥に入った。
悪夢の中の胸姫ちゃんから奥に入ったので当然悪夢の原因の記憶が一番最初に入って来る。僕は鯨の姿になりその時点から過去の記憶全てを喰らい尽くし、すみやかに胸姫ちゃんから出て来た。
僕は現実に戻ると額に流れる汗をぬぐった。
「ふぅ~ なかなか食べ応えがあったな」
すると僕の顔前でモーゼスが瞼をパチクリさせながら見ていた。
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