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083大別
彼女のアルコールの呑み方は
2種類あった
1つは仕事やストレスを
緩和するための飲酒
もう1つは
呑みたくて呑む
楽しい飲酒
僕と出逢うまでの
彼女の飲酒は
そのほとんどが
前者だった
楽しくはない
呑んで紛らわすだけの飲酒
そんな時は決まって
悪酔いしていた
出逢った当初
彼女はよく言っていた
僕が居る時に呑むと
どれだけ量を呑んでも
悪酔いしないし
凄く楽しい
そりゃあ
キャバクラでも風俗でも
客と呑む酒は
仕事でしかない
本心から楽しいことは
ほとんどないだろうし
苦痛のほうが多いはずだ
当然
客ではない僕が居れば
苦痛ではないだろう
以前はその程度に思っていた
彼女の呑み方は
僕の大別も
彼女の大別も
誤っていた
彼女自身はいまだ
自分自身の呑み方を誤認したままだ
悪酔いになるのは
ストレスがある時は当然のこと
ストレスがかかりそうな時
仕事の後で僕と会った時など
ストレスがかかった直後
僕の有無には関わらない
楽しく呑めるのは
事前にも事後にも
もちろん今その時にも
ストレスが無く
かつ僕が居る状態
特に彼女の誤認が大きかったのは
彼女の仕事の後
僕のところに来て呑む時
確かに表面上は
楽しそうにはしているが
僕は本当に楽しそうな時との
違いを確実に感じていた
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