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086眉間
そして僕は
彼女に嘘をついたことと
不機嫌だった理由の真実を打ち明けた
実のところ
彼女が仕事終わりに
僕の身体を求めた時
拒否することは
他にも何度かあった
僕自身も自分の
本心に気付いては居なかった
疲れている
気分が乗らない
そう思っていた
でも本当は
彼女の仕事モードを目にすること
愛し合ってはいても
仕事の行為に感じること
そういったことが嫌だったんだろう
………
………
彼を好きになって数ヶ月
………
………
長男の警察沙汰
次男のアルバイト
彼ともいろいろなことがあった
言い合いになることもあった
でも
私は元々
我慢されるのも我慢するのも嫌だ
でも彼は
過去のことからか
すぐに自分を殺して我慢しようとする
もちろん私を気遣って
ということもあるだろう
彼は優しい
でも我慢は彼を苦しめる
私も我慢されるのは嫌だ
それに
我慢する彼の顔
我慢する彼の態度
眉間にシワを寄せた彼
それが堪らなく嫌だった
私はいつも彼に
仕事のことを話していた
何人だった
どんな客だった
変な客だった
本指名の客だから楽だった
逐一報告する
というわけではない
借りに彼がそれを求めるなら
監視されているようでキツイ
彼にとって
どちらがいいのかは解らない
でも私は言ったほうが良いと思って
言うようにしていた
もちろん
彼を傷付けるような
行為の内容なんかは話さない
ある時
私が仕事の話を
わざわざ彼にする意図を話した
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