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090距離
彼は休みの日であれば
病院にも着いてきてくれた
心配なのだろう
会いたいと思ってくれているのだろう
嬉しい
でも私は
いつもいつも一緒だと
息が詰まってきてしまう
彼も
無理に会いたい会いたいと
依存するように
言ってくるわけではない
私が過剰に反応しているだけ
彼に求められていると
私が過剰に思っているだけ
それは解ってはいる
でも私は過剰反応し
徐々に心が辛くなってきていた
そして営業電話の件から数日後
彼は仕事だったが
私は知り合いとの食事を予定し
それを彼に伝えていた
彼は「わかった呑み過ぎないようにね」
と送り出してくれた
帰宅後
彼に電話で何気ない話をしていた
特に言おうと
思ったわけではない
逆に隠そうと
思ったわけでもない
話の中で言っただけだった
私の言葉を聞いて
彼の眉間にシワが寄る
「知り合いって言ってなかった?客なの?」
この客は実は
キャバ嬢時代から
よく来てくれている客だ
もちろん彼の疑うような関係ではない
今の仕事で来てくれているのも
実際にはそういった行為は
今まで一切したことがない
クリーンな関係だ
今もキャバ嬢と客として
良好な関係が続いている
ただそれだけだ
そんな客だから
私にとっては
客というよりも知人だ
もちろん仕事外で
ただ知人として食事に行った
私にとっては
ただそれだけだ
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