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この世には男女の他に更に三つの性も存在している。α、β、Ωというものが存在していてそれぞれ特徴がある。
【α性】
数が少なく、生まれつきエリートでボス的な気質を持ち、社会的地位や職業的地位の高い者が多い。頭脳明晰で力も強いものが多く、Ωではまず勝つ事は不可能と言われている。
発情中のΩとの接触は、どんなに理性的なαであっても抗しきれない強烈な発情状態を引き起こし、時に暴力的なまでの性交に及びかねないため、この性質を嫌悪するαもいる。
【β性】
最も人口が多く、身体的特徴や行動等も一般的である。
発情期も存在せず、Ωの発情に誘惑される事もあるが、αほどの激しい反応は起こらず、自制も可能。中にはΩのフェロモンがまったく効かない事もあり、そこでのβからすれば発情Ωは「体調が悪そう」くらいにしか見えない。結婚もβ同士の男女でする事が当たり前と思われていて、その子供も高確率でβとなるので同様の家庭が再生産されてゆく。
ただ裏を返せばそれ以外の組み合わせや、β同士の子にもかかわらず他の性になる場合が稀にある。
【Ω性】
数はαよりも少なく、絶滅危惧種のようになっている場合も多い。大きく育たなかったり、誘惑や妊娠に特化した成長をしたりと、身体構造自体が生存競争に不利な事も少なくない。
Ωの特性上、発情期になると周囲とのトラブルを引き起こし、本人もまともな労働力として使えなくなることから、子供を産む事に関する事のみが仕事とされていた。
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