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虹百合学園といえば県随一の有名校だ。全寮制の女子校で、一番の特徴であるフリルのついた可愛らしい制服は女の子たちの憧れだった。
高い倍率をくぐり抜け、なんとか入学できたネネは希望に胸を踊らせていた。マンガのような、あるいはアニメのようなキラキラと輝く青春時代が待っている。
しかし、そんな夢は入学初日から儚く散った。
虹百合学園の学生寮は四人部屋で、ネネはミサ子、トモ美、カナ絵と寝食を共にすることになった。
三人は何をするにも一緒に行動するグループで、なんでも、学園の有力者の娘ららしかった。入学前から仲が良く、親のコネで入学し、同じクラス、共同部屋にしてもらったという話だ。
「あんたはあたし達のペットにしてやるよ」
それが、ネネが初対面で三人から投げられた言葉だった。
ネネは腰まで伸びた綺麗なロングヘアーが特徴の美少女だった。色白で華奢でお人形のような愛らしい外見。三人はそれが気に入らなかった。
まずは断髪式と称して自慢のロングヘアーをめちゃくちゃに切られた。ペットの証として、傷一つ無い背中に三人分の火の点いたタバコを押し当てられ一生消えない烙印を刻まれた。入浴時間には熱湯シャワーを浴びせられたりもした。
ネネにとって、虹百合学院での生活は地獄そのものだった。
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