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「それじゃどうしよっか」
ミサ子が言うと二人は考え込んだ。
「ここでダベッてても暇だし……」
「テキトーに探検でもする?」
「お、いいじゃん」
確立された登山道の脇に生い茂る背丈ほどもある藪を指差して、カナ絵が笑った。
「お前が先頭な。草掻き分けてウチら通る道つくれよ」
ネネは戸惑った。山で道を逸れれば危ないことなど小学生でも知っている。
「や、やっぱり止めとこう?危ないよ……」
勇気を振り絞ってそう口にした途端、穏やかだった三人の表情が険しく変貌した。
「はぁ?お前誰に口利いてんの?」
「ペットの分際でご主人様に指図してんじゃねーよ」
「降ろせ」ミサ子が冷たく言う。「リュック、全部降ろせ」
大人しく地面にリュックを下ろすと、次は四つん這いになるよう指示された。言われるがまま両手と両膝を地面に着けた瞬間、尻に激痛が走った。驚いて後ろを見ると、ミサ子が拾った長い木の枝を振りかぶっているところだった。
「ゔっ……!」
木の枝が鞭の様にしなり、何度もネネの尻目掛けて飛んできた。あまりの痛みに身体を捩ろうとすればトモ美とカナ絵が横から背中を踏んで抑えつける。
「あ゛っ……ぎゃぁっ……!」
十数発打たれたところでようやく開放された。ネネは尻に手を当て啜り泣いた。きっとパンツの下で尻は赤黒く腫れ上がっているに違いない。想像すると涙が止めどなく溢れた。
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