何食べる?

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何食べる?

 先程のエレベーターから降りると、さらに階下にはネオン輝く街並みが一望できた。 「ここ、いい所ですね」  男だからと言って綺麗な場所が嫌いなわけではない。心に思ったことを口に出すゴー。 「確かにね……僕もこの場所が好きなんだ。たまに一人でここに来て、歌詞とか考えるんだよ」 「そうだったんですか。だから、春さんはあんな素敵な詞を書けるんですね」 「そんなことないよ……。まぁ、いいから座りなよ。ご飯を食べに来たんだから、注文しないとだろ?」  今まで窓の外を眺めていたゴーは、春にそう言われてやっと席に着く。  そんな子供みたいな仕草が春には可愛く見えた。  ゴーが席に着くと、メニュー表を開く。 「本当にここ、高いですね」  そう微笑みながら言うゴー。 「でも、僕はここを気に入ってるよ。個室で静かで眺めも良くてね」  確かに春が言っていることは分かる。自分たちのように有名人であっても、一般人に知られずにゆっくりと食事ができるからだ。  ここに入って来た時も、カラオケ屋の個室みたいに各部屋が別になっていた。 「じゃあ、僕はこれにします」 「遠慮しなくていいよ。今日は僕から誘ったんだから、ここは僕が出すしね」 「あ、はい……」  そう言われても最初は遠慮してしまうものだろう。 「あ、いや……いいですよ。僕、これ好きですから」  そう笑顔で答えるゴー。 「本当にゴーさんはそれでいいんだね?」 「はい!」 「じゃあ、僕もそうしようかな」  春もゴーと同じ料理を注文することにして、店員を呼ぶためにボタンを押す。  しばらくしてから店員が来ると、メニューを頼み、二人は会話をしながら料理が運ばれてくるのを待つのだった。
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