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2『告白』
あの日食事をして以来、二人とも忙しかったのか、会えずにいた。
会えない分、会いたいと思う気持ちが余計に募ってくる。
もしかしたら、ぐずぐずしていないで早く告白しないとならないのではないかと、心の奥で焦らされているような気もする。
今はメールでのやり取りが主だ。
メールも、ただの仕事での出来事だったり、日々の生活で起きていることの話しかしない。
二人とも有名人で、暇なんてあまりない。ましてや、二人同時に休める日なんてまったくないくらいだ。
そんな日々が続き、あれから半年後に再び二人は再会することができた。
いつものように、春が帰宅する頃に図ったようにゴーからメールが入ってくる。
『今、仕事が終わりました。今日はテレビの収録で疲れましたよ。明日はやっと休みが取れたんですが……春さんは明日も仕事ですよね?』
こうやって来る誘いのメール。本当に春はゴーの誘いのメールに勘違いしてしまいそうだ。きっとゴーは無意識というか、ただ春のことを憧れとしか見ていないのだから、それで会いたいと言っているのだろう。
毎回ゴーからの誘いのメールに、春の頭は悩まされる。
春は自分の部屋でゴーからのメールにため息をつく。
本当に頭が痛い。
春の気持ちはすでにゴーに対し「好き」という気持ちなのだから。
春はリビングのテーブルから見える東京の夜景を眺めながら頭をかき始める。
確かに明日は春も休みだ。会いたいという気持ちはある。だけど、今まで会っていない分、気持ちは前に会った時よりも大きくなってきているのは事実だ。
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