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あー!遅刻!!
もしかしたら相手がマメな性格なら、向こうからメールが来ているかもしれないと胸を高鳴らせる春。
しかし、メールの相手は春の予想とは異なる人だった。
『おーい! 何してんだよー。今日、収録がある日なの忘れてないか?』
突然来たメールは、同じメンバーからのもので、今日、収録があることを知らせていた。
今までゴーのことで頭がいっぱいだった春は、そのメールに慌てて用意をして家を出る。
そう言われてみれば確かに今日は番組収録ではないが、新曲の音合わせがあることをすっかり忘れていた。
今までこんなミスをしたことがなかった春。本当に春はゴーのことが気になって仕方がないのだろう。それほどまでに、ゴーの存在は春の中で大きくなってきている。
皆より三十分遅れて、春はスタジオに入った。
春はメンバーに向けて頭を下げ、皆に謝る。
「ホント……ごめん! 遅れちゃって……」
「ま、まぁ、気にすんなよー。お前にしては珍しいことじゃないかぁ、彼女にフラれたとか?」
そう冗談で言うメンバーの一人だが、その質問、ある意味当たっているようなぁ、当たってないようなぁ、と春には思えた。
「べ、別にそんなんじゃないよ……」
「それは置いておいて、春も来たことだし、音合わせしようぜ」
メンバーの一人に言われ、春も音合わせに参加し、練習を一通りしてから本番に入る。
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