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「薫くん、昨晩の永ちゃんはいかがでしたの?」
インタビューを受けた薫の黒い眉毛がわずかに歪んだ。
(※ちなみにハラマキの永ちゃんの発音は矢沢永吉と同じらしいが、世代じゃないから全然ピンと来ない)
「……寝相が悪い。2回蹴られた。あと寝言もうるさい」
「俺、寝言なんて言ったか?!」
「夜は躾が必要、声は大きめ、と。やっぱり育て甲斐がある子ね永ちゃん」
(躾って、犬じゃねぇんだけど?)
薫はハラマキのマイメロ手帳をジロッと見下ろした。
「ハラマキ。何度も言うが、その手帳絶対に落とすなよ」
「ガッテン承知のハラマキの助! 落とすようなことがあれば切腹いたす!」
切腹を誓ったハラマキの助は熱心にペンを走らせている。
「ちなみにお泊まりはしょっちゅうですか? しょっちゅうの助?」
「いや、中一以来。エイトの部屋のエアコンが壊れて、今週金曜まで連泊になった」
薫が素直に答えると、ハラマキは旨い寿司を食ったときみたいな顔で俺を見た。
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