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「――――マツケンはさぁ、いつになったらまれと付き合ってくれんの?」
早速耳に飛び込んできたセリフに、泡吹いてひっくり返りそうになった。
(まれちゃん、マジでマジかよ! そいつマツケンだぞ!?)
身振り手振りで驚きを表すと、薫も遺憾そうに頷いた。
「いつとかそういう問題じゃねぇだろ。生徒と教師の距離を守れ」
まれちゃんは完成したシンデレラのドレスを膝に抱え、窓際の机の上に座っている。対するマツケンは、腕組みをして窓枠に寄りかかっている。
放課後の薄暗い教室にJKと高校教師がふたりきり――何だ何だこのエロすぎるシチュエーションは!
「じゃあ、まれが卒業したら結婚してくれる?」
(!?!?!?)
すでに話の展開についていけない。俺のテンパった身振り手振りに、薫がしみじみ頷いている。
「お前さぁ、何でこんなオッサンに執着すんの。イケメン友達がいっぱいいんだろ周りに」
「まれ、別に顔のいい男なんて好きじゃない」
「……ん? それってどういう意味です?」
「顔のいい男ってみんな嘘つきだし、チャラいしアホだしたらしだし」
「それ言ったら俺だって十分チャラいだろ。見てみろこのアロハシャツを」
(そうだそうだ! そいつマツケンだぞまれちゃん! ここはおひとつ冷静に!)
心の中でまれちゃんに抗議の声を上げる。
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