放課後覗き見サンバ

4/6
前へ
/50ページ
次へ
「……マツケンは真面目じゃん。本当にチャラかったらもう手ぇ出してると思うけど?」 「俺だって犯罪者にはなりたくないんで。無職になったら生活どーすんですか」 「付き合ってもえっちしなければ問題ないよ。もし手ぇ出されても周りには内緒にするし」 (!?!?!?)  ああんもう気絶しそう。まれちゃんのセリフが童貞の俺には刺激が強すぎる。  うわーんと顔を覆うと、ガタン、とまれちゃんが机から飛び降りた音が教室に響いた。 「マツケン。まれは本気で言ってんだよ。3年なんてあっという間だし」 「アホか。俺なんか構ってねぇで貴重な3年を有意義に使えって」 「有意義じゃん。マツケンがまれを好きになってくれたら最高にハッピーな高校生活じゃん」  またガタン、と机の足がぶつかる音がする。もう教室の中で何が起きているのか怖くて目を開けていられない。 「……お前さぁ、好きな相手を破滅させんのが趣味なのか」  まれちゃんが楽しそうにクスクスと笑い出す。 「もう、諦めて破滅しちゃいなよ、マツケン」  ――うおおおお。悪女だ。悪女がそこにいらっしゃる。  JKの恐ろしさを見せつけられ、恐れ慄いた俺は薫の腕にしがみついた。 (これはたしかに怖えぇJK爆弾!)  薫が俺を慰めるように、ぽんぽんと背中を叩いてくれる。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加