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「……マツケンは真面目じゃん。本当にチャラかったらもう手ぇ出してると思うけど?」
「俺だって犯罪者にはなりたくないんで。無職になったら生活どーすんですか」
「付き合ってもえっちしなければ問題ないよ。もし手ぇ出されても周りには内緒にするし」
(!?!?!?)
ああんもう気絶しそう。まれちゃんのセリフが童貞の俺には刺激が強すぎる。
うわーんと顔を覆うと、ガタン、とまれちゃんが机から飛び降りた音が教室に響いた。
「マツケン。まれは本気で言ってんだよ。3年なんてあっという間だし」
「アホか。俺なんか構ってねぇで貴重な3年を有意義に使えって」
「有意義じゃん。マツケンがまれを好きになってくれたら最高にハッピーな高校生活じゃん」
またガタン、と机の足がぶつかる音がする。もう教室の中で何が起きているのか怖くて目を開けていられない。
「……お前さぁ、好きな相手を破滅させんのが趣味なのか」
まれちゃんが楽しそうにクスクスと笑い出す。
「もう、諦めて破滅しちゃいなよ、マツケン」
――うおおおお。悪女だ。悪女がそこにいらっしゃる。
JKの恐ろしさを見せつけられ、恐れ慄いた俺は薫の腕にしがみついた。
(これはたしかに怖えぇJK爆弾!)
薫が俺を慰めるように、ぽんぽんと背中を叩いてくれる。
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