47人が本棚に入れています
本棚に追加
「エアコンが直るまでリモコンの使用権をお前に譲る。ファイナルアンサーだ」
「……マジで! やればできんじゃん!」
どういう風の吹き回しか、王様から特別許可が下りた。モテないと言ってやったのが心に響いたのだろうか。
「じゃあ今夜もよろしくな! 命が助かるわ!」
ベランダの柵によじ登り、排水管を掴んで自分ちのベランダに飛び移った。振り返ると、凶悪な朝日の中で薫が俺を見送っている。
「エイト。絶対に落ちるなよ」
「平気。俺、身軽だから」
部屋の窓を開けて中に入ろうとすると、またエイトと呼びかけられた。クソアチぃってのに本当に去り際がしつこい。
「何だよ!」
「棺桶には、俺が入ってやってもいいぞ」
(???)
頭にはてなマークが浮かんでいるうちに薫は部屋に戻って行った。
どゆこと? お前マジでドラキュラなの?
最初のコメントを投稿しよう!