失礼な勇者を倒した武具屋のおっさん、繫盛して笑っちまう。

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「この子が奴隷だからって、バカにしてるのか?」 この店にあるものは、全部俺がこしらえた。 出来に満足いかない物もあれば、大満足で売りたくないもんだってある。 だが精算台に並べたのは、そこそこ自信があって、悪くない出来のもの。 そして売りたくないという気持ちを表した、高価な物だ。 それを……バカ……? おっといけねえ。俺は一呼吸置いて、短剣を抜いてみせた。中身を見ればきっと減らず口もなくなるだろうと思ってな。 シャキン――。 「……ゴミ、だな。王都の武具屋に比べて、質が悪すぎる」 「ぐっ」 「なんだ?文句か」 俺は、物心ついた頃には、クソ熱い炉の前で鉄を叩いてた。 20年近く、武具を作ってきた。 武具を作るってことは、武具の使い方や使用感に対しても知識がなけりゃいけない。 だからこそ身をもって魔物と戦い、俺の作った武具でたくさん魔物を屠ってきたし、魔物の攻撃を受けてきた。
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