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一方、護身具を買う人は、身を護るのに役立ちそうな「なにか」って具合に、買いたい物がぼんやりしているはずだから、予め商品として陳列しておく。
お客さんが商品を目で見て、興味を持ってもらい、もしも疑問があるなら、都度都度、商品を見せながら説明すればいい。
とにかく今日はファミリーとか女性とか子供のための日なんだ。
気合十分の準備万端。
軒先に人影はないが、まあこれから来るだろうさ。
営業中の札を出して、精算台の奥に座った。
◇◇◇
カランコロン――。
「いらっしゃ……い」
開店してから3分後、客がやってきた。
キョロキョロと辺りを見回し、顔をしかめているソイツらは、この町では有名な冒険者パーティーだ。
転生者で、男1対女4のハーレムパーティーってのもそうだが、不死身の魔王を唯一殺せる【勇者】ってスキルを持ってることは、みんなが知ってる。
でも、それがスゴイから有名なんじゃない。
コイツらはとにかく……失礼なんだそう。
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