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こんなヒョロいガキに言われずとも、質がいいってのは、魂がわかってんだ。
そんだけ、マジで作ってるものを、クソガキによぉ……。
ゴミだぁ!?
短剣を鞘にしまい、精算台の上で拳を握りしめた。
しゃーない。
こういう客はどこにだっているし、噂になるぐらいのクソ客なんだ。
今日は、今日だけは殺さずにおいてやろう。
俺は引き攣った笑顔で言った。
「……すんませんね。また機会がありましたら、よろしくお願いします」
すると、勇者は鼻を鳴らして、出口へと向かった。
クソ小せえヒョロい背中を睨みつけつつ、怒らずに抑えきれたと安堵したのも束の間、扉に手をかけた転生者は、言いやがった。
絶対に許してはいけない、クソみたいなことをな。
「さっさとこの町を出よう。肥溜めよりも価値のない町だ」
カランコロン――。
肥溜めよりも価値がないって、どういう意味だ。クソ、ションベンを溜め込んでる穴ぼこよりも、存在価値がねえってことか?
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