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それともこの町にいるよか、肥溜めに沈んだほうがいいってことか。
奴の真意なんざ、どうでもよかった。
生まれ育ったこの町を、侮辱されてたまるかってんだ。
たしかに治安はよくねえし、ここ最近は犯罪が増えてやがる。
でもみんなこの町が好きで住んでるし、この町を良くしたいから自警団じみたこともするし、俺の護身具にだってアイデアを出してくれたんだ。
それをよお、ふらっと立ち寄ったクソガキに罵られて、黙ってられるやつがいるのかってんだよ。
俺は精算台の下に備えてある、剣を引き抜き、丸型の盾を腕に通して店先へと飛び出した。
「おいこらぁ!ちょっと待てクソガキ!」
「へ……」
すると、なんと運の悪いことか、勇者パーティーとすれ違う親子をビビらせてしまった。
「あ、お、おめえじゃねえ。あっちのクソガキだ。ご、ごめんな」
「ママー」
「だ、大丈夫よ」
「二人とも離れよう」
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