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苦しみ
カナタは身寄りはなく、無縁仏として葬られることになった。
タケルがサトシにカナタが死んだことを伝えると、かなりショックを受けていた。
「そんな…」
「それだけのことをしたんだよ…」
私はうつむきながらそう言った。
ミカの気持ちは痛いほどよくわかる。
憎しみが人を変えていく…
私もそれに抗えるかどうかわからない。
ミカのようにカナタやサトシに刃を向けることもあり得た。
それだけのことを2人は私にしてきたのだから…
私が彼らに刃を向けなかったのは、恐怖で支配されていたからだけじゃない。
好きだった時の気持ちがあったからだ。
もし、それがない相手だったとしたら、
間違いなく私は刃を向けていただろう。
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