蜘蛛の巣の先にあるものは

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 私の肩に乗っていた、全長十センチメートルくらいの大きな蜘蛛を取ってくれたのだった! 「うわ、気持ち悪い!」 「……大丈夫、もうついてないよ」  佐々木くんは、近くの茂みに蜘蛛を逃がすと私のところに戻ってきた。 「いきなり声をかけてごめん」  彼は申し訳なさそうな顔をした。 「今の蜘蛛はジョロウグモって名前なんだ……。たしか大塚さんは蜘蛛が苦手だったよね?」 「うん。もしかして私のために取ってくれたの?」 「……。あのままじゃ大塚さんかわいそうだと思って」 「あ、ありがとう」 「どういたしまして」  そう言って、佐々木くんははにかんだ。  その照れた顔が、私の鼓動を揺れ動かす。
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