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その後、彼はすぐにどこかへと行ってしまった。
一方私はというと……。
顔が火照るのを感じながら、通学路に突っ立っていた。
私は蜘蛛の巣に引っかかったときのような違和感を覚えた。
ただし、体の中をモゾモゾと這いずり回っているのは不快感ではなく別の熱い何かだった。
そして山の中での暮らしも、案外悪くないかもしれないと思い始めた。
——それが、私の忘れられない初恋になったのだった。
〈終わり〉
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